性と恋愛 2025【セクシュアル・ヘルスについて】

  • 若者の性に関する情報源は、「インターネット・Webサイト」「動画サイト・SNS」が上位2つとなり、男性では「アダルトビデオ・サイト」が第3位に続いた。
  • 若者女性のうち自身のからだの見た目は「今のままでいい」と回答したのは3割未満だった。
  • 若者女性の4割が「定期接種またはキャッチアップ接種」によりHPVワクチンを接種している。接種を決めた理由は「親/保護者に勧められた」が第1位だった。
  • 子宮頸がん検診を、「定期的に受診している」「受診したことがある」若者女性(20-29歳)はそれぞれ2割程度で、大人女性よりも低い割合。受診しない理由では「受診にお金がかかる」「どんな検査をするかわからず怖い」が上位2つとなった。

①性に関して、どこで情報を得てる?

②性の悩みについて相談相手はいる?

③性の悩みについて相談相手はだれ?

④婦人科・泌尿器科の悩みについて相談相手はいる?

⑤婦人科・泌尿器科の悩みについて相談相手はだれ?

⑥子宮頸がんって知ってる?

⑦子宮頸がん検診、受けたことある?

⑧子宮頸がん検診、受けたことある?

⑨子宮頸がん検診を受診していない理由は?

⑩HPVワクチンって知ってる?

⑪HPVワクチンを接種したことある?

⑫HPVワクチンを接種した理由は?

⑬月経の悩みは?

⑭SRHRって説明できる?

⑮この用語、説明できる?

⑯自分の見た目、変えたい?

※①~⑥、⑩、⑭~⑯の若者世代の集計結果は、実際の有効回答者4958名に対して、各層での性別×年代の構成が同じになるようにウェイト調整を行い、5745名分として算出した比率です。
※⑦、⑧の若者世代の集計結果は、実際の有効回答者2950名に対して、各層での性別×年代の構成が同じになるようにウェイト調整を行い、2774名分として算出した比率です。
※⑨の若者世代の集計結果は、実際の有効回答者1595名に対して、各層での性別×年代の構成が同じになるようにウェイト調整を行い、1483名分として算出した比率です。
※⑪の若者世代の集計結果は、実際の有効回答者1260名に対して、各層での性別×年代の構成が同じになるようにウェイト調整を行い、1525名分として算出した比率です。
※⑫の若者世代の集計結果は、実際の有効回答者1688名に対して、各層での性別×年代の構成が同じになるようにウェイト調整を行い、1697名分として算出した比率です。
※⑬の若者世代の集計結果は、実際の有効回答者3105名に対して、各層での性別×年代の構成が同じになるようにウェイト調整を行い、2925名分として算出した比率です。

宋美玄さん(産婦人科医・医学博士)のコメント

今回の調査では、SRHR(性と生殖の健康と権利)に関するさまざまな項目について、男女の違いや世代間の差が浮き彫りになり、大変興味深い結果となりました。その中で私が特に気になった点についてコメントさせていただきます。

若者世代で結婚して子供を持ちたいという人は、男性で69%、女性で67.5%と7割に満たない結果でした。子供を持ちたくないという主な理由は経済的な不安で、本来の妊娠適齢期には経済的な理由で産むことを選択できていない可能性があるかもしれないと思いました。
また、性に関しても興味深い結果が得られました。セックスについて抱いているイメージが、若者男性の一番多い回答が「気持ちいい」(46.2%)であるのに対し、若者女性は「スキンシップ」(39.4%)、2番目は「愛が深まる」(33.8%)となっていて、「気持ちいい」は26.1%にとどまりました。この傾向は大人の方が強く、大人男性の51.3%が「気持ちいい」と答えているのに対し、大人女性では「気持ちいい」は17.7%で、5位までにランクインしませんでした。
性的同意について、9割近く(若者86.4%、大人86.9%)が「絶対に大事だと思う」と回答していました。一方、「性的同意とはどういうものか、正直わからない 」と若者の42.4%、大人の31.0%が回答しているので、若い世代から性教育の場で「性的同意とは」ということを教えていかなければいけないと思います。
また、「気が乗らないのにセックスに応じた」と回答したのは、若者男性では25.6%だったのに対し、若者女性では44.3%となっています。大人男性では39.1%、大人女性では65.3%と、その男女差が開いています。既婚の若者女性は65.4%、既婚の大人女性は67.2%と、既婚女性の方が気が乗らないのにセックスに応じた経験が多くなっており、夫婦間の性交同意やセックスのあり方についての議論が必要だと感じさせられました。

避妊法については、全体的にコンドームが主流ですが、低用量ピルを使用したことのある若者は13/6%で、大人の8.9%より多くなっており、徐々に若者に浸透しているようで嬉しいです。

また低用量ピル服用の経験は、若者女性で28.8%、大人女性で20.4%となり、徐々に浸透していると思われます。その入手先は「クリニックや病院」が最も多いですが(若者女性68.7%、大人女性83.4%)、若者女性ではオンライン診療が19.9%を占めており、インターネット購入・その他も8.9%となっていて、なるべく便利に手に入れたいというニーズを感じました。

性に関する情報源は、「インターネット・Webサイト」が若者34.9%、大人39.3%が一番多く、「アダルトビデオ・サイト」と答えた若者男性は27.8%、大人男性で30.2%となっており、まだまだ商業ポルノの影響は大きいことがわかりました。こちらからもセックスそのものを含めた性教育の充実と、大人がアップデートする機会が望まれます。

性や体のことを相談する相手については、全体の35.5%がいないと答えていて、まだまだ婦人科や医療機関がその受け皿になっていないことが伺われました。

今回の調査から、性的同意の大切さや、女性側が主体的にできる避妊方法については浸透してきていると思われましたが、性やセックスについてはまだまだ非対称だと思われました。
また、調査に協力くださった方のうち、性別を「その他」と答えられた方のサンプル数が少なかったので、数をもっと集めた意識調査の必要性を感じました。



宋美玄

丸の内の森レディースクリニック院長。婦人科専門医・医学博士・FMF認定超音波医・日本産科婦人科遺伝診療学会認定医。子育てと産婦人科医を両立、メディア等への積極的露出で“カリスマ産婦人科医”として様々な女性の悩み、セックスや女性の性、妊娠などに付いて女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。女性の健康とSRHRを実現を目指すヘルスケアデザインカンパニーCrumiiが企画・運営する医療・ヘルスケア情報メディアcrumiiの編集長も務める。

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