今すぐ痩せたいあなたに伝えたい大切なことーコンプレックスを乗り越えるための5メソッドー

今すぐ痩せたいあなたに伝えたい大切なことーコンプレックスを乗り越えるための5メソッドー

ライフテーラー

ゆこさん

長崎県出身、元丸の内OL。摂食障害や婦人科系の病気に苦しむも克服。OL時代、2017年にボディメイクの大会で日本一を獲得し独立。「ライフテーラー」=「心と体の健康をサポートする人生の伴走者」をコンセプトに掲げ、個人向けにはパーソナルトレーナー・オンラインコーチとして、また企業向けにはヘルスケア研修講師として活動している。2020年3月にはオンラインサロン「ライフフィットダイエット」をオープンした。

オフィシャルウェブサイト(https://lifetailor-yuko.com/

I LADY.が掲げる「Love, Act, Decide Yourself.」。I LADY. HOURSはそんな自分らしく生きる人を招いて、ひとつのテーマを深く掘り下げるコラムコンテンツです。第1回目のゲストはゆこさん。「自分らしいカラダのつくり方」をテーマにしたインタビューの前編では、正しいダイエットのアプローチとして、「自分を褒めて、心で動く」ことの大切さを教えてくれました。今回お届けする後編はさらに深いところへ。コンプレックスと向き合い、自分を好きになるためには、5つの大切なことがありました。

01

足が太い自分が嫌いだった学生時代

I LADY.が掲げるテーマのひとつに、「Love Yourself=自分を大好きになる」という項目があります。ゆこさんは体のコンプレックスとの向き合い方について、どんなことを伝えていますか?

主に2つですね。1つは「自分を知ること、認めること」。私もそうですけど、足が太いからスキニーパンツが履けないと、実際、大学に行く途中に「今日は足を見られたくないから家に帰ろう」って帰ったことがあるんですよ(笑)。今はポニーテールにすることもありますけど、昔は顔のエラ張りがコンプレックスで、中学・高校時代なんて髪を耳にかけられなくて。

人のコンプレックスって、実は相手から見ればたいしたことなかったり、理解できないということもあると思います。

そうなんですよね。ずっと隠していると、いつまでも先に進めない。コンプレックスを表に出して、というのは難しいかもしれないけど、コンプレックスも、体の一部ですよね。まずはそこを見つめることが大事です。もう1つは「体の使い方」。髪の毛とか顎のコンプレックスは直せないけど、私はパーソナルトレーナーとして、筋トレで科学的に基本的な体のラインをつくることができるんですね。体の使い方が美しければ、怪我をしない健康な体づくりにつながっていきます。

体の使い方って何が正しいのかは、スポーツやトレーニングに詳しくなければわからないですよね。

私自身、自分の足は来世にならないとキレイにならないと思っていました。会社員時代に、上司から「あなたはダイコン足ね」と言われて、「チクショー」と思ったことがあります。それでも直し方がわからなくて傷付いていたんですね。でも、私はトレーニングを始めてから10カ月で体が変わったんです。やみくもに筋トレしたらいいというわけじゃないんですよ。筋トレにもいろいろな方法があって、自分の目的と現状に合わせて体をつくっていくんです。

ランナーは上手な走り方をしていたら、自分がイメージするような理想のマラソン選手のような体がつくられていくし、スイマーは横隔膜や骨を上手に使えば、理想のスイマーらしい体になっていく。スクワットひとつをとっても何を目的にするかによって体の使い方自体が違うんですね。

自己流では正しい使い方を学べない?

たとえば、市民ランナーにはいろいろな体型の方がいらっしゃるし、自己流が悪いわけではないですが、それがあまり美しい使い方でなければ怪我もするし体型も変わりません。体型は40代からでも変わっていきますし、私のお客様には最高齢で78歳の方がいますけど、超すごいんですよ。オペラのバックコーラスをしていて、2時間ステージに立てる体力が欲しいということでパーソナルトレーニングに通っていて。

何が言いたいかというと、人によってトレーニングの目的は違うし、何歳からでもできることがある。希望を持って、自分の持っていないものを取り入れないと、コンプレックスは変わらないということです。

02

“ストレスゼロ”のダイエット法とは

ゆこさんのダイエットメソッドは「ストレスをつくらない」ことですが、ダイエットなのに制約を設けないってどういうことですか?

たとえば、同じくらいの身長・体重の方が同じような食事を選択していても、結果が出る人と出ない人がいます。「いつまで続けるの?」と思いながら食べている人と、「すごく頑張って食べているから、きっと痩せちゃうな」と思いながら食べている人では、反応がまったく違うんですよ。本人が楽しいと思えることをする。カリギュラ効果、つまり禁止されたことほどやりたくなっちゃうという心の仕組みです。

食べないようにと思っていても食べてしまう、とか?

そうそう。私は「それはあなたのせいではなくて自然なことだから、そういうときは放置しましょう」と言っています。本人が「これしかない」と思って視野が狭くなるからストレスになるんですよね。「これしかない」ではなくて、その対処法と視野の広げ方を知っておくことを伝えています。

具体的にはどんなことですか?

人と比べず自分と比べることが大事だということですね。「あの人、すごく細くて羨ましい」「あんなに食べているのに細い」とかを意識せず、あくまでも自分と比べるという軸なんです。特に若い子はそれを持っていないんじゃないかな。

誰かになりたい、という気持ちがすごく強いんだと思います。特にInstagramなんかを見ていると。

「ゆこさんみたいになりたい」と私も言われるのはすごくうれしいけど、あなたにはあなたの良さがあるから、私のようになろうとすると苦しくなりますよ、と伝えます。自分の性質や環境によって何を幸せと感じるかは違うのだから、あなたの良さを探しましょう、とはよく言っていますね。

私は<サマースタイルアワード>で日本一を目指していたとき、途中までは前年に日本一だった人と比較していたんですよ。あの人はこんなことをしていたな。自分の体はまだその形になっていないなって。だけど、「私はその人になりたいんだっけ?」とふと思ったら、そうではないと気づきました。自分が思い描く最高の状態になるために、私が好きな自分、未来の自分を描いて、今と向き合っていこうと決めたんです。

運動のメソッドに比べると、心のメソッドは今の時代になってから多くなってきたと思います。ゆこさんが思う、これからの時代の美しさとは何ですか?

私は今を「心の美しさが外に表れる時代」と言っています。昔から、外見は内面の一番外側とはよく言われてきたように、心と体のどちらかだけではなく、両方とも大事にされる時代なんだと、リアルにそう思いますね。

私は「痩せる=健康」「キレイ=健康」とは思っていません。不健康な方法でも痩せることはできますし、外見だけ磨いていると不健康なこともありますから。もちろん、健康が偉いことだとは思っていません。ジャンクフードを食べて姿勢が悪いという方はたくさんいますし、それでも本人が幸せならいいと思うけど、やっぱり土台として、歯が痛い、頭が痛いというだけでテンションは下がるし、そういう意味では健康がベースなんですよね。健康の結果として、美しい、かっこいいという印象につながっていくんだと思います。「健康だからキレイ」なんじゃないかな。

03

自分が好きだと思う自分は、どんな選択をするか

新型コロナウイルスによる自粛期間のなかで、動ける体や自炊できる力、人への思いやりの大切さを実感した人たちはたくさんいると思います。ゆこさんはどんなことを感じていますか?

私にとっての日常って、人と手が触れ合うことなんですよ。パーソナルトレーナーとして人の体を触るから。それがなくなってしまうのはすごく寂しいことだなって。

新たに発見したことや気づいたことはありますか?

プライベートな話ですが、パートナーとお別れしたり、オンラインサロンのリリースが1月から3月に延びたり、住む場所が変わったりと、すごく環境の変化があったんですよ。仕事も場所も生活も一変した慌ただしいなかで私自身、本当に自分と向き合いました。そこで思ったのは、自己肯定という言葉が近いかもしれないけど、自分との関係を構築することが大事だということです。

それこそ「Love Yourself」ですね。

結婚するかどうかはさておき、人は必ず誰かといるわけじゃないですか。親、親友、子どもなのかはそれぞれですけど、誰が先に死ぬのかはわからないものの、最後まで一緒にいるのは自分なんだなって思ったんです。私は結婚生活を通じて、仕事も趣味も大切であって、一般的な妻像には程遠いとか、こんな私では愛されないとか、自分の中の虚像や思い込みにすごく縛られていたことに気づきました。

私は自分に対する厳しさを持っているけど、それを変えようとするのではなく、「ありのままの自分を愛してあげよう」と思うようになりました。コロナによってより一層、自分の意思がなければ何も始まらないと思うようになったんですね。自分の思考が選択を生み出していくのだから、感性や思考をもっと大事に生きていく世界が到来したと思います。

あるべき姿に縛られる。これに悩んでいる人って多いのかなと。

私は結果を出さなければ意味がないという極端な思考をしていたので、中高の成績がオール5だったんですよ。オール5じゃないと気が済まないから、全教科において出席率80%と80点以上を取りにいく。それに執着して、もし4だったら先生に交渉して5に変えるくらいで(笑)。それと同じように会計士の資格を取ろうとしたけど結局ダメだったので、そのときは絶望しました。

やるからには結果を出さなきゃダメだという気持ちがものすごく強かったのですね。

大学4年生のときも、4年間行かせてもらったのに就職できなかったら生きている意味がない、とまで思っていましたね。親に何て言えばいいんだろうと、周りのことばかりを気にしていて。当時の友達に、人生は暇つぶしだから世界中を旅すると言って、船に乗っていった人がいるんですよ。当時は理解できなくて、人の生き方を受け入れない人間でしたね。今はすごく尊敬します。

受け入れられるようになれたのは何が大きかったのですか。

パーソナルトレーナーとして独立して間もない頃、自分の対価に見合った価値を発揮しなきゃと悩み疲れた時期がありました。でも、私が自分らしくできたとしても、お客様が選ばなかったら仕方ないんですよね。逆に自分らしくない状態でお客様に選ばれても困る(笑)。価値は後からついてくるから、私が真剣にそのお客様に合っていると思うことをやったら納得できるから、その結果をどう言われても構わないというか。

「気を遣う」じゃなくて「心を遣う」っていうのかな。お客様に自分の価値を発揮したいとは思っているけど、結果を気にせずに心で仕事をしようと。そこであるべき姿から離れることができて、すごく楽になれました。いま思えば、あの人のあの言葉に救われたなと思い浮かぶものがたくさんありますね。出会ってくれた方々に心から感謝しています。

たとえば、どんな言葉が一番に思い当たりますか?

10代、20代の頃に支えられた、サミュエル・ウルマンの『青春の詩』ですね。その中にある「希望を失わなければ、あなたは老いない」という言葉のおかげで生きてこられた部分が大きくて。これは高校1年生くらいに父から贈られた言葉なんです。私は絶望したことがあり、希望を持とうと言われてもできなかった。でも、過去の自分になりたいわけではないし、過去から学ぶけど答えはそこにはない。この言葉のおかげで、未来は自分次第でどうにでもなるから、自分のために選択をしようという気持ちになれました。

今でも闇に呑まれそうになることがいっぱいあるので気をつけていますけど、そんなときは先ほどお話ししたように、私が好きな自分がいて、その自分ならば今どんな選択をするのかを考えています。

今に落とし込まなければ、希望は見えてこない。

そうなんですよね。希望も時間も未来から流れてくるものだから。

04

自分を好きになるための5メソッドとは

ゆこさんとのお話を通じて、本来必要なものを見直させられました。最後に、「誰かのようになる」のではなく、「自分を大好きになる」ために大切なことを教えてください。

全部で5つあると思います。1つは「ありがとう」です。過去の自分が頑張ってきたおかげで今の自分があるということ。未来を見ることができている自分、大切なパートナー、家族、友達、職場の同僚、社会や自然なども含めて。今日も気持ちいい風が吹いていて、生きている。お金がたくさんなくても食料があるおかげで生きている。そうやってすべてにおける「ありがとう」は、今あるものを見ることにつながっているので、これを意識することで自分を好きになれると思います。2つ目は「ま、いっか」です。

完璧を求めない、自分を追い込まないということですか?

70点でも褒めてあげるということですね。「今日はできなかったけど、ま、いっか」って。何でも100点である必要はないんです。3つ目は「目の前のことを積み重ねる」ということ。私が摂食障害だったときに、「親に愛されているのかわからない!」と号泣しながら母親にぶつけたら、「あなたは目の前のことを何もしていない」ってぶった切られたんですよ。

今と向き合う、に通ずるものがありますね。

考えもしなかった言葉が返ってきて目が覚めました(笑)。それから目の前のことをせずに、わからないことを考えてしまうという私の悪い癖を矯正しまくった半年間があって。料理をするなら料理をする、集中して作業をするとか、大小の積み重ねのおかげで、「私はもう一生大丈夫だ」と思えるようになりました。4つ目は「熱を大事にする」。暖(温)かいということです。私たちはカロリーを摂取するじゃないですか。

でも痩せたいとなると、カロリーを摂らないという選択をしますよね。

内臓を休めるという意味では大切ですけど、生きているって熱があるということですよね。自分に火をつけて燃やす。そのためには熱がすごく大事なんだということを知っておいてほしくて。私たちは命を食べて生きています。「カロリー=熱量」ですから熱を取り入れることは大切です。

最後は「水を大事にする」です。人間の体の6割くらいは水分でできています。食べ物がみずみずしいこともすごく大事です。加工品ばかりを摂ると水分量が少ないから、水分量が多い食事を摂ろうとしてください。体と心を潤すことにつながりますから。人間って水には勝てないんですよ。水中で呼吸ができないし、水を飲まないと生きていけない。だから、上手に付き合っていかなければいけなくて。今お話しした5つを意識していけば、きっと大好きだと思える自分と出会えるはずです。実際に私自身がそうでしたから。

自分を好きになるための5メソッド

1. すべてに対して「ありがとう」
2. 70点でも「ま、いっか」
3. 目の前のことを積み重ねる
4. 熱を大事にする
5. 水を大事にする

取材:I LADY.編集部
文・編集:加藤将太
写真:仲地俊裕

I LADY. な人たち