自分のことが嫌いなあなたへ ―自分を好きになる内面美容法―

自分のことが嫌いなあなたへ ―自分を好きになる内面美容法―

ファッションモデル / タレント

ラブリ / 白濱イズミさん

ラブリとして雑誌、テレビ、ラジオ、広告などで活動する一方で、近年は自身の内側から生まれる"言葉"を日本名である白濱イズミとして詩や執筆、音楽など様々なアプローチからアーティスト活動も行っている。2018年に初の個展「言葉の記憶 展」(360°gallery)、2019年には「デジタルと私との関係、私はどうやら数字らしい 展」(COMPLEX BOOST)を開催。自著『私が私のことを明日少しだけ、好きになれる101のこと』(ミライカナイ、2018年)が発売中。現在は次作の執筆に取りかかっている。

オフィシャルサイト(http://lovelizm.com/

I LADY.が掲げる「Love, Act, Decide Yourself」。I LADY. HOURSはそんな自分らしく生きる人を招いて、ひとつのテーマを深く掘り下げるコラムコンテンツです。第2回目のゲストはラブリさん。テレビや雑誌などで活躍してきた一方で、最近では白濱イズミとしてアーティスト活動も展開しています。詩や朗読、執筆、音楽といった多彩な表現、その中心にあるのは“言葉”。言葉と向き合い続けてきたこれまでの経験を振り返って、自分を好きになる方法を語ってくれました。

01

外に見せる自分と、本当の自分がズレていた

「言葉」がテーマのインタビューということで、まずはラブリさんが言葉で表現するようになったきっかけを教えてください。

白濱イズミがラブリとして芸能界にいるなかで、「自分の存在ってどこにあるんだろう?」と考えるようになったんですね。私のことを求められるのはうれしいけど、メディアが見せたいラブリと私が思う自分が違うんじゃないかなと思うようになって。メディアにつくられたラブリに対して、私が本当に存在しているのかがわからなくなってしまったんです。それで自分自身の存在を確認するためにブログを書き始めました。

メディアに求められるラブリと本来の自分の間にズレがあったのですね。

テレビやラジオ、いろいろなメディアで見せている1時間、10分、5分というなかで、結局はイメージがついてしまうんですね。「本当の自分はこうなのにな……」と思っていても、例えば「ラブリちゃんってお酒をすごく飲むよね」というイメージが先行しちゃっている感覚があって。本当の自分と外に見せている自分の温度差が大きくなったのです。

具体的にはどういうことを書き留めるようにしていましたか?

最初は日記みたいに自分の日常をブログに書いていました。ある意味、私が芸能活動している環境は変えられないからこそ、自分に言い聞かせてあげるというか。自分の毎日を保ちたいという気持ちでしたね。でもブログを通して、読んでくれているファンの方たちが、私が書いていることと自分自身を重ねてくれるようになったんです。

自分が意図していないところで、ファンの方たちが共感してくれた。

私へのファンレターは「かわいい、キレイ」という表面的な声よりも、「ラブリちゃんの言葉で考え方が変わりました」など、内側の変化の手紙が多いことに気づきました。私の言葉が誰かのためになっている。それに気づけたことでブログを書き続けるようになっていったんですね。

それ以前は特に文章を書くことはなかったのですか?

10代後半の頃、「私にしかわからない自分ってなんだろう?」とノートに書き留めて、自己分析をしていました。今思えば、今の自分となりたい自分をまとめた企画書みたいなものだったのかな。頭の中にある不安や迷いを具体的な言葉にして書いていくと、自分が何を考えているのかがわかってくる。今も月に一度くらいは必ずやっていますね。日常を過ごしていると目的や目標がわからなくなって、自分がブレることもあります。そうならないように、「今の私がなりたい自分ってなんだろう?」と頭の中を整理することで自分に立ち返れるというか。

02

どうしたら、自分を好きになれるの?

ラブリさんの文章には詩のような響きがありますが、最初から詩を書こうという意識があったのですか?

Instagram(以下インスタ)が流行り始めたタイミングに、当時はインスタで詩を投稿するという認識がなかったから、自分のイメージを少しでも変えていくために詩を載せていこうと思ったのが大きいです。言葉には視覚的要素があったり、声に出して読むと気持ちいいリズムがあったり。言葉のいろいろな要素を分けて発信するというイメージでした。

SNSでは発信する他に、フォロワーからコメントやDM(ダイレクトメッセージ)で悩みごとの相談が届くこともあると思います。ラブリさんのフォロワーは10代、20代の若者が多い印象ですが、どんな声が届いていますか?

たしかに私のDMには毎日のように相談が届いていますね。特に多いのは、自分のやりたいことがわからないという人からです。何を仕事にすればいいのかわからないとか。他には、自分のことを好きになれない、自分に自信がないとか。

恋愛の相談もあったり?

もちろん多いですよ。好きな人に告白できない、彼氏に言いたいことが言えずに合わせてしまう、浮気されるか心配とか、そういう悩みが多いです。でも、悩んでいることに気付いている人がそれほど多いということは、自分を好きになれるきっかけを持っている子たちも多いということなんですよね。

一つひとつの返信が難しいなか、どういう形で対応しているのですか?

音楽や詩で表現したり、インスタライブで回答したり、という感じですね。いろいろな方向から答えをつくってあげるというか。たとえば、最近は美容のことも発信していますけど、女の子は美容から自分を好きになれる可能性がすごくあるんですよ。「肌がキレイになった!」という単純なことで自分を好きになれたりする。私が美容のことを発信しているのは表側であって、目的としては自分のことを好きになってほしいからです。

なるほど。自分のことを好きになれる可能性をいろいろな形でつくるのですね。

人によって好き嫌いや向き不向きがあるので、本が読めない人は美容から入ってもいいですし。私に届く悩みを見ていると、自分の悩みの答えを誰かに求めようとしている人が多いように感じます。悩んでいる霧の中から抜け出せないし、抜け出し方が分からない。その分からないことを分かろうとしていないというか。

私はその人たちのためにきっかけをつくってあげたいんですね。単純にかっこいいものをつくっても、伝わらなければつくっただけになってしまう。だからこそ、伝わりやすいものに形を変えてみようと考えています。

03

どれを選ぶのかはあなた次第だよ

若者の印象として「ただ悩んでいるだけの子が多い」という言葉がありましたが、ラブリさんが思う今の若者の特徴って何でしょうか。

特に10代は過敏で、自分が直面している悩みがすごく大きいものに見えているかもしれないですね。本当は小さくて解決できることだけど、それがすべてになってしまっているという感覚があって。そこにはSNSが良くも悪くも影響していると思います。

それってどういうことですか?

比較してしまう人が多いです。SNS上のいろいろなユーザーを見て、「あの子は自分よりかわいい、もてはやされている、いい物を持っている、フォロワーが多い、でも自分は……」って。そうやって自分を狭めていく問題は私が10代の頃よりも多い気がします。

SNSはその人次第で使い方がガラッと変わりますからね。

そうなんですよね、良くも悪くも。検索という意味ではすごく便利だけど、どこかで誰かに嫉妬してしまって、感情がネガティブに働きがち。だからこそ、私はなるべくSNSから離れる時間をつくることが大切だなと思います。

私が書いた『私が私のことを明日少しだけ、好きになれる101のこと』という本の中で、朝起きてから2時間はSNSを見ない、自分がやれる範囲のルールをつくる、つい手に取ってしまいそうなものを本に変える、といったことの大切さを伝えていて。日常を見直して自分を変えられることって、美容も含めてたくさんあるんですよ。

真正面から「SNSから離れよう」と言っても、あまり効果は期待できそうにないですよね。

だから、「この本がおすすめだよ」「この美容をやってみて」とか、代わりになるモノ・コトを具体的に見せてあげることで、自然とSNSを見なくなるかもしれません。その意味でも、違うきっかけをつくったほうが届きやすいと思っていて。

“いいね”が気になるから投稿せずに、情報収集のためだけのSNSアカウントを持っている人も少なくありません。インターネットの世界で自己肯定感を高めたり、自分を評価してしまうのは違うんだよ、と伝えてあげたいですね。

本当にそのとおりだと思います。「考えること」そのものを知らない、していない人たちが多いという印象もありますね。わからないことはとりあえず聞く、検索するのではなくて、まずは自分で考えてみて、自分の意見を持つ、ということが大事なんです。

自分らしさを見つける、自分のことを好きになるって、考えることがスタートですね。

日常の些細なことから気づきがあったらいいなと思います。朝起きて、背伸びをしてみたら、朝ってこんなに気持ちいいんだ、と気づいたり。ストレッチをしたら、こんなに心がラクになれるんだ、と発見があったり。そういった積み重ねから、考えるということがその人の日常になればうれしいですね。

取材:I LADY.編集部
文・編集:加藤将太
写真:香賀万里和

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