I LADY. REPORT REPORT 文京区×I LADY. 連携事業2023年もスタート ピア・アクティビスト新たに20名が誕生

文京区×I LADY. 連携事業2023年もスタート ピア・アクティビスト新たに20名が誕生

2023.08.01

今年もI LADYでは.地域密着型の若者エンパワーメント事業が始動しました。東京都文京区とタッグを組んで、文京区の若者から若者へ I LADY.(Love Yourself, Act Yourself and Decide Yourself)のメッセージや自分らしく生きるために重要なライフスキルとしてセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)の知識を広めていく事業です。

→I LADY.とは

今年も文京区で若者と

昨年に引き続きお茶の水女子大学、跡見学園女子大学、文京学院大学、東洋学園大学、東京大学大学院に加え、東洋大学が入り6大学の学生と社会人を含む18歳〜28歳の若者たち20名を対象にピア・アクティビスト養成研修を6月24日(土)25日(日)7月2日(日)の3日間で実施しました。

参加者は、昨年同様文京区の大学に通っている学生や、文京区に勤務の社会人の方々で、初めてSRHRについて学ぶ方から、専門的な知識を持ってSRHR向上のためにお仕事をはじめている方など、幅広い方が集いました。

研修では、2022年に文京区のピア・アクティビストとなった先輩ピア・アクティビスト(先輩ピア)が講師になり、SRHRに関わる10のテーマ(パートナーシップ、性暴力/デートDV、避妊、月経、性感染症、検査健診、ジェンダー・多様な性、ボディイメージ、妊娠)について、伝える側となるための実践方法を交えて共有しました。

同世代の先輩ピアが自分の言葉で語り、ツールを駆使している姿をみて、参加ピアからは「実際にI LADY.のアイテムを使用した講義を受けることができてよかった。」「先輩たちの発表が素晴らしく、こんな風に自分でもできるだろうか…」というような声も。1年間で知識や伝える力が増した先輩ピアに圧倒される場面もありました。

対面研修で、「気づき」の場を

研修では参加ピア同士でディスカッションする機会を多く設けました。

「グループワークには少し苦手意識があったが、意見の共有をし合ったことで気づきや学びが多かった。参加して良かった」「意外と知らないことも多くて勉強になった。自分やパートナーのことを考えるきっかけになった」「他の方の意見を聞いて自分の計画をより深めることができました」「SRHRについて知らなかったことを学ぶことができた。わからない問題について質問すると答えてくださる方がいるという環境が貴重でした。他の大学の学生の方とお話しできてよかった」「恥ずかしながら初めてSRHRという言葉を知り学びました。話す機会がない歳の離れた方々や有識者の方々、そして同じ年代の方とのお話はとても有意義で、自分の価値観への良い刺激となりました。参加して良かった」など、参加ピアたちから研修後の自身の変化を感じる声を多くいただきました。

ディスカッションでは、自分に向き合い、身近な課題に気づいて学べる、ジョイセフが開発した参加型教材、I LADY.ツール(I LADY.ノート、I LADY CARD、ジョイセフエプロン)を体験してもらいました。一方的に伝えるだけでないこのツールたちをうまく活用することで、より深い気づきやそこからでる「もっと知りたい、話したい」のパワーを知って、活き活きとディスカッションをしていました。参加ピアたちは、「I LADY CARDがとてもおしゃれでかわいい!ついつい触ってみたくなる」、「I LADY.ノートをファシリテーターとしてやってみると、ディスカッションの見方が変わる」、「ジョイセフエプロンをやってみることで、知らないことが沢山あったと気づいた」など、体験してみた感想が寄せられました。

活動始動に向けた計画づくり

研修の後半は、参加ピアたちが、学んだ中から発信したいトピックとツールを選び、誰に伝えていくかのアクションプランづくりを進めました。今年は身近な人にSRHRを一人で伝えてみるコンパクトプラン、チームで多くの人に向けて発信するアクションプランの二種類が活動の柱になります。「性の多様性についてもっと知ってほしい」、「自分も悩んでいたから救いたい」、「男性にこそ伝えたい」、「I LADY.そのものを分かってほしい」などピアの熱い想いを発信していくために、沢山ディスカッションをして計画を生み出しました。

計画を実施していくためには、メッセージを届ける「場」や「機会」がとても大切ですが、若者であるピアだけでは、その場や機会をつくるのに限界があります。今年も文京区に縁のある大人で結成する、リージョナル・アクティビスト(※)の皆さんが、その悩みにアドバイスを下さり、機会の提供や繋がるべき人との橋渡しをして下さって、ピアの活動を支えて下さっています。

※リージョナル・アクティビストとは:文京区に縁のある30歳以上の大人サポーターのことです。様々な分野で活躍している「大人」が、I LADY.を伝えるピア・アクティビストに共感し、発信する場や方法のアドバイスを通じて文京区の若者のために協力してくれています。

今回の研修でも多くのリージョナル・アクティビストが、対面やZoom会議でピアの活動計画のディスカッションに入ってくださいました。「講義をしているからここのコマを使っていいよ」という声や「そのプランならこの人を紹介してあげる!」など、経験豊富で、地域でネットワークを持つ方々だからこその助言に一気にピアのモチベーションも上がります。ピアが実践する「場」につながる「リアル」なアドバイスで、多くのチームが活動に向けた最初の一歩を踏み出しています。

最終日には、参加ピアの想いをかたちにした、アクションプランを発表しました。以下にいくつかご紹介します。

【A】社会人&東大・お茶大院生インカレチーム
対等なパートナーシップのための「自分を抑え込まないパートナーシップを考えよう」:
男女平等センター祭りで大人世代の感じていた不健全なパートナーシップのモヤモヤを聞いて若い世代と対等なパートナーシップについて考える

【B】跡見学園女子大学’さくら’チーム
ボディイメージと月経を学んでで自分も相手も理解しようセミナー:
男子学生を含めた学校に出張し、男女ともに惑わされがちなボディイメージと女性の健康と密接にかかわる月経について理解する

【C】お茶の水女子大学チーム
自分の権利を大切にしようワークショップ​:
同級生や留学生を集めて、ジェンダー不平等やジェンダーマイノリティのためのアクションと、健全・対等なパートナーシップを海外からの意見も引き出して深める

【D】文京学院大&東洋大&社会人インカレチーム
多様な性ってどんなこと?セミナー:
サークルメンバーの集まる昼休みを活用して、LGBTQ+のことを知って、関わり方や寄り添い方を学ぶ

【E】東洋学園大学チーム
SHSRを知って自分を知ろうフェア​:
学内限定オンラインイベントでSRHRの気付き発見!ボディイメージなども含めて自分の不安を明確にして「自分は自分でいい」と思えるように+不安や悩みは相談するライフスキルを身に着けよう

今年も文京区×I LADY. 連携事業で誕生した20名のピア・アクティビストにより、地域の若者に届ける頼もしいアクションが動き出しています。これからどう展開していくのか、今後の活動がとても楽しみです!

REPORT LIST