語る I LADY. 病気になって知った。カラダと向き合うことも女子力なんだ。

病気になって知った。カラダと向き合うことも女子力なんだ。

モデル / 女優

中田クルミさん

日本大学芸術学部映画科卒業。雑誌『Zipper』専属モデルを経て、『GINZA』『装苑』『NYLON』など、さまざまなジャンルの雑誌にてモデルを務める。青文字系モデル初のDJとして活動するほか、「凪のお暇」(TBS)「かもしれない女優たち」(フジテレビ)、映画「口笛なんか吹いて」「ゆきおんなの夏」「劇場版 新・ミナミの帝王」にも出演している。

10代や20代の女の子たちのファッションアイコンとして、モデルや女優など幅広い領域で活動している中田クルミさん。2016年の5月に、自身の卵巣嚢腫と子宮内膜症を公表したブログが大きな反響を呼びました。手術を経て病気を克服した彼女が今思う「真の女子力」とは? 若い女性にこそ知ってほしいという思いが強く込められていました。

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「すぐに婦人科に行って!」わたし、病気なの?

中田さんはブログで女性特有の病気を患ったことをカミングアウトしていましたが、改めて当時について振り返っていただけますか?

実は、自覚症状が全然なかったんです。お腹が出ていても、最近太ったなあ……くらいの気持ちでいました。痛みも無くて。それでダイエットを始めたのに、運動しても全然痩せられなくて、根本的に身体の歪みを治さなければ! と思って整体に行ったところ、「施術したら大変なことになる。すぐに婦人科に行ってきて」と言われたんです。検査したところ、卵巣嚢腫と子宮内膜症が発覚して。その時点で、サイズは13cmまで膨れ上がっていました。

それなのに痛みが無かった。

元々、婦人科には通っていたんですよ。生理痛が重かったので、ピルの処方をしてもらっていました。でも、その婦人科ではピルをもらいに行くことが目的になってしまっていて、きちんと診断してもらえていなかった。後から、実は子宮内膜症の患者に対して安易にピルを処方すると、女性ホルモンの乱れが起きることがあると知って、すごくショックでした。

ブログで病気を公表された時の反響がすごかったですね。

ビックリしました。何に驚いたって、励ましの声よりも「私も!」という共感の声が圧倒的に多かったことですね。普段、身近な友人とも身体の話ってほとんどしなかったのですが、「実は私も……」みたいなカミングアウトをたくさん受けました。最近、有名人で公表する人が増えてはいるけれど、とはいえやっぱりデリケートな話題だし、みんなコッソリ話すという感じで。本当は、ちゃんとオープンに話ができた方がいいと思うんですけどね。

そう思った理由としては何が大きかったんでしょうか。

病気を公表した時、「すごいですね、言いにくいことなのに」とよく言われました。でも、「勇気を出して公表した!」みたいな感覚は自分にはなかったんです。影響力のある仕事をしているからこそ、伝えるべきだと思った。みんなにもっと、身体に対する意識を高めてほしかった。言わなくて結果的に誰かが傷ついたりする方が罪だと思いました。公表したことをきっかけに検査を受けたというファンの子がいて、本当に言ってよかったなって。

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「婦人科、行ってる?」と気軽に話せる世の中に。

たしかに、オープンに「身体」について話す機会って少ないと思います。

身体のことを特別な話みたいに括ってしまうという考え自体が、そもそも良くないと思っているんです。たとえば女の子って、ネイルサロンとかマッサージとか、美容の話はたくさんするじゃないですか。

お金もかけるからこそ話題にしたくなるというか。

本当は美容にお金をかけるのと同じくらい、健康にも気を配るべきだと思っていて。流行りのヘルシーな食生活に興味があるなら、子宮がんの検診のことも気にするべきですよね。

それでも病気という観点からの健康への意識は低いんですよね。

いま婦人科に行っている子は、親が相当意識が高いとか、本当にごくごく一部だと思う。でも、行って悪いことの方が少ないのだから、もっと気楽な気持ちで身体のチェックを受けた方がいいと思っていて。万が一定期健診で病気が見つかったとしても、ずっと気づかないで手遅れになるより、早めに気づけたなら、それは逆にラッキーなことなんじゃないかな。男の子が女の子に「婦人科、行った?」と言えるくらい、婦人科や検診がカジュアルな存在になればいいのにな。

婦人科の存在が身近になるのは、とても大事ですね。

そう思います。みんなの会話にもっと出るようになれば、世の中の情報量も増えるし、知識もつきますよね。今は美容や食事については、ネット上でも口コミが見られたりしますけど、病院の情報って本当に少ないんです。何が正しい情報なのか、どこの病院がいいのか、本当に手探り状態なんですよね。

今でも、最初に行った婦人科に対していろいろと思うことはあります。でも、その病院も悪意があったわけではない。たとえば、みんなが「初回はエコー検査をするのがマスト」と知っていれば、病院側だって変わってくると思います。とにかく婦人科がもっと社会にとって普通の存在になってほしいんです。

改めて、中田さんにとって真の女子力とは何だと思いますか?

意志をもって自分の幸せを追いかけられる人は、「真の女子力」がある人なのかなと最近は思うようになりました。ちやほやされるとか表面的なことではなくて、「自分自身がこうありたい」という内なる気持ちを大切にしている女性は素敵だし、本当の意味での女子力がありますよね。そして、身体のことを考えるのも女子力だと病気を通して思いました。

何をするにもやっぱり身体が資本ですし。

女性と男性は身体が違うし、特に女性は身体のケアをすることが大事だと思います。男女平等という言葉もよく聞きますが、女の人の身体が敬われた上での対等が、本当の平等だと私は思います。個人レベルでも社会レベルでも、もっと当たり前に女性の身体を大切にして生きられる世の中になってほしいです。

取材・文:I LADY.編集部
編集:加藤将太

*この記事は2016年7月20日に取材したものです

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