ILADY

モデル
立野リカさん

ファッション誌「Precious」の専属モデルを務め、CM出演などでも活躍中の立野リカさん。アメリカ在住の10代のころにはプロテニス選手を目指していたという体育会系出身。そんな彼女とI LADY.チームは2017年4月、国際協力NGOジョイセフの支援先のひとつであるネパールを訪れました。ネパールでは、ジョイセフがセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRH=性と生殖に関する健康と権利)に関する正しい知識を普及するための活動を行っています。途上国であるネパールを視察した立野さんが見たSRHの現状とは?彼女へのインタビューとあわせて、今回は特別編として現地視察レポートもご紹介します。

―I LADY.キャンペーンのアクティビストになられたきっかけは?

このキャンペーンで掲げている“Love, Act, Decide, Yourself(=自分を大切にし、自分から行動を起こし、自分らしい人生を自分で決められること)”は普遍的なメッセージなので、世界中に広めていきたいと思いました。特に共感したのが「Love」の部分です。

私は2歳からテニスを始めて、大学までプロを目指していたのですが、膝を痛めて引退せざるを得なくなりました。そこで進路を変えて、憧れのモデル業にチャレンジしてみました。ただ、当然ながらテニスとモデル業は別世界。テニスは、毎日コツコツ練習を重ねることで成果が目に見えて出てくるし、対戦相手も明確で、ある程度、自分次第で勝ち負けをコントロールできますが、一方、モデル業は自分の手におえないケースもあり精神的な闘いです。

いずれにせよ、アスリートもモデルも、自分を愛せないとやり抜けない仕事。「Love Yourself」することができて初めて「Decide」「Act」へつながると思っています。自分を愛することの大切さは、国境を越えてどの人種にも共通するからこそ、より多くの女性たちに伝えていきたいと思います。

―ネパールへ行こうと思ったきっかけと目的は?

たくさんの国を知れば知るほど視野が広がるので、海外ボランティアには子どもの頃から興味がありました。特にネパールでは2015年に震災が起きたので、その後の復興状況が気になっていました。
今回はI LADY.アクティビストとしてネパールのSRHの状況を知るために、ジョイセフが支援している医療施設を視察したり、現地の女性たちにインタビューしたりしました。ネパールの中心地から郊外まで、5日間にわたってさまざまな場所を訪問しましたが、新しい気づきや発見の連続でした。

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-世界のSRHルポ in ネパール PART 1-

海外ボランティアに強い関心を持つ立野さんとジョイセフが訪れた、ネパールの女性支援の現場を特別レポートします!

①  NGO IPPFネパール(ネパール家族計画協会:FPAN)本部

最初に訪れたのが、ジョイセフとともにSRHの支援活動をしているNGO IPPFネパール(ネパール家族計画協会:FPAN)の本部でした。首都カトマンズ中心部にあり、空港からおよそ30分。この日は、IPPF ネパールやロンドンから飛んできたIPPF本部のスタッフなどとキックオフミーティングです。

そこでSRHにまつわるネパールの近況を聞くと、早速厳しい現実を知ることに……それは、児童婚、人身売買、性暴力、安全でない人工妊娠中絶、HIV/AIDSなどといった大きな問題がまだ数多く残されていること。そこで、全国で約36,784人の患者さんに対して、FPANが支援サービスやカウンセリングを提供しているそうです。年間で1万人以上に安全な中絶施術を行っています。

1FPAN-clinic
FPANが運営するクリニック。

menu
メニューから選べるさまざまで低価格の避妊方法。

3専門医監修
このクリニックでは専門医による安全な人工妊娠中絶が受けられます。

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誰もがコンドームを自由に持ち帰れます。

②  MAITI NEPAL(マイティ・ネパール)

2日目の朝一番に向かった先が、マイティ・ネパール。ここは、人身売買の被害にあった女性や低所得の子どもたちを保護している団体です。ネーミングの由来は「安心できる家」ということで、カウンセリング、リハビリテーションや医療など被害者のためのさまざまなサービスを提供する施設を運営しています。今まで2万人以上の女性たちを人身売買から救出し、社会復帰できるまで見届けてきています。施設を視察してみて、マイティ・ネパールの活動が、ネパールの多くの女性たちを虐待、搾取、放置、暴力から守っているのがよくわかりました。※彼女たちを守るためにも、保護施設の撮影は一切不許可でした。
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まずは団体活動の説明をしてくれました。

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壁にかかっているのは、保護された女性の肖像画。みなさんとってもキレイに描かれています。

③  CVICT(シビック)拷問の被害者のためのセンター

このNGOは、暴力、拷問、性暴力の被害者のために、カウンセリングとリハビリなどの精神的なサポートと、アドボカシーや啓発活動などの社会的サポートをしています。団体に所属している専門医師は、ハーバード大学医学部出身のドクター。医師という立場から、心理セラピーをはじめ心理学の可能性を強く提唱しています。立野さんも学生時代に心理学を勉強していたので、メンタルヘルスの重要性について熱い会話がくり広げられました。そう、実はメンタルヘルスは非常に大きな問題なのに、ネパールではまだ精神的・社会的サポートの両方の支援ができるところは少ないようです。ここでは心理カウンセリングを通じて、被害者が社会復帰できるまで見届けます。ネパールでは心理面に特化した団体は珍しいので、政府へのアドバイザーとして活躍することもあります。

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CVICT (シビック)の正門にて。

④  JMMS 女性セックスワーカーの労働組合(有志団体)

ここは女性セックスワーカーをサポートする団体です。今セックスワーカーをしている女性や元セックスワーカーだった女性に継続して健康診断の機会を提供し、また教育を通して女性のエンパワーメントを実施しています。ネパールの女性がセックスワーカーになるのは、貧しくて働く場所が少ないことが一番の理由です。雇用が少なかったり、学費を払えなかったり、多くの女性たちが「生きるため」に選ばざるを得なかった、唯一残された道だったりします。しかし、売春は法律違反に当たるため、政府に働く権利を認められていない彼女たちに生活の保障はありません。そこで、JMMSはセックスワーカーの権利を訴えつつ、彼女たちが別の仕事に就労できるように支援もしています。

セックスワーカーをしながらこの団体に勤める女性たちは、
家族には「NGOで働いている」と説明しているそうです。

9ポスター(別アングル)
人身売買防止のポスター。自分の意思に反して、売られてしまう女の子を描いています。

ネパールの深刻な問題と直面している団体のお話を聞くことができて、早々に濃い体験ができたI LADY.チーム。この後、ネパールのお正月をお祝いするためにお寺へ行ってきました(2017年ではなく、現地では2074年です!)。活気あふれる街中で笑顔を交わす人々を見て、一瞬心がホッとします…。後編では、郊外に住むさまざまな女性たちの様子をお伝えします。

(つづく)